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メンテナンス

スターメー・アーチャー内装3段変速機の変速ワイヤーの交換

IMG_6291.jpg スターメー・アーチャーの内装変速機の変速用ワイヤーは、いわゆる「タイコ」の部分の形状が日本で容易に入手可能な汎用品とは異なります。今回は、この変速ワイヤーの取り替えについてご紹介します。


【特殊なタイコの形状のケーブル】
私の利用している自転車の変速機はスターメー・アーチャー AW-3 で、そのシフターはこのようなシンプルなサムシフターです。
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長年利用しているためシフトワイヤーが一部切れて、ばらけてしまいました。そのためシフトケーブルを交換しようとしたのですが、この英国製の変速機が使っているワイヤーはちょっと特殊な物です。
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シフトケーブルの一方の端には一般に「タイコ」と呼ばれるケーブル端点の抜け止めが付いていて、「シフター」と呼ばれる変速レバーに収納・固定されます。国内で流通している変速ケーブルはシマノの規格に準拠したものがほとんどなのですが、このスターメー・アーチャーのシフターに適合するケーブルのタイコはこのように細い円筒型の物です。
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ケーブルの太さは 1.2mm と一般的なものと同じですがタイコの形が異なります(約直径2mm、長さ1cmの細長い円筒形)。
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そのタイコは、このようなシフターの中の細長い空洞部分にはまり込むようになっています。
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通常入手できる下の写真のようなシフトケーブルに付属するタイコは直径 4mm 程度あり、この空洞にはまらないため、そのままでは交換できません。
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【汎用シフトケーブルを加工】
純正品は割高ですし、何より入手性に劣ります。そこで、上記の一般的な SHIMANO のシフトケーブルを購入し、スターメー・アーチャーのシフターに適合するようにタイコを削ります。原則、ヤスリで削る方法で対処するのですが、ある程度の工具があると非常に便利です。利用したのが以下のツールです。
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ロッキングプライヤー(別名バイスプライヤー)とダイヤモンドコート・ヤスリです。ロッキングプライヤーは近所のホームセンターで購入、ヤスリはダイソーの 210円商品です。
やすりがけをするのに、タイコの部分を指先でつまみながら行うのはほとんど不可能です。きちんと固定できず、安定したやすりがけはできません。小型のバイス(万力)を使って固定するもの一案なのですが、ロッキング・プライヤーがあると非常に便利です。ロッキングプライヤーとはアジャストねじで調節することによって、対象物をちょうど強く挟み込んだ状態でロックすることができるプライヤーです。この工具をうまく使うと、「3本目の手」として作業を効率化することができます。
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このように、タイコをロッキングプライヤーで挟み...
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このように足で押さえつけながらやすりがけを行います。注意としては、やすりをケーブルの側に落としてしまい、ワイヤー自体を傷つけないようにします。ここはシフトワイヤー全体でも特に強い力がかかる部分なので、一本でもより線が切れたらせっかく買ったワイヤーが台無しになってしまいます。
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すると、1面について約3分程度でこのように平らに削ることができます。
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4mm の円筒形だったタイコを約 2mm 角の角柱形にするように削ります。なぜ角柱形にするかというと、円筒形にするには削る面を連続的に変える必要があり、難しいからです。タイコが例のシフターの隙間にうまく収納されれば良いので、4面を削り取って角柱にすればよいと考えました。
まず対向した2面を削り取ります。
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その後、このようにロッキングプライヤーにセットし、残る2面を削ります。
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できました。こんな感じです。あまりに鋭い角型なのですが、私は気にしません。シフター内の当たりが気になる場合は、四隅を軽く落としておくと良いかもしれません。タイコをヤスリで削るのは大変そうに聞こえますが、ロッキングプライヤーとダイヤモンドコーティングの平ヤスリがあれば、4面削るのに15分程度でできる作業です。
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シフターにうまく収納されるか試してみます。問題なさそうです。
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【シフトケーブル装着】
シフトワイヤーを抜いているこのタイミングを機に、アウターケーブルの内部にシリコンオイルスプレーを注入しておきます。
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シフトワイヤーには、スプレーグリースを塗っておきました。シフトケーブルへのオイルアップの有無、使用オイルの種類は人の好みだと思います。SHIMANO のアウターケーブルは3層構造になっていて、内側に摩擦軽減用の樹脂層があるため、オイルを入れなくても、もともとかなりの潤滑があります。したがってホコリの付着を嫌うサイクリストの中には、オイルアップを全くしない人もいると聞きます。
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次にシフターの外側からケーブルを変速機の方向へ通します。このようにタイコはうまくシフターの中に収まりました。
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あとは、シフトのポジション調整を行います。このAW型内装3速の場合は2速に合わせたところで、変速チェーンの先の金属部分の小さな切り欠き部分が、観測窓のハブ軸先端とちょうど合わさる位置にセットすればOKです。
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あとは余分なケーブルをケーブルカッターで切断し、ケーブルエンドキャップを取り付けて完成です。
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【まとめ】
ロッキングプライヤーとヤスリがあれば、汎用品から割と簡単にスターメー・アーチャー用のシフトケーブルを作ることができます。ロッキングプライヤーは、ブレーキケーブルを交換・調整するときに、ブレーキケーブルを仮止めするような場合などにも重宝します。「3本目の手」が欲しい場合に活躍し、使い道も広いので買っておいて損はないと思います。
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